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超絶身内向けのコアブログ。 とりあえず"olio"の名通りごたまぜフルスロットル。
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続き。もう何がなんだか。いきなりシリアスチックだったりギャグだったり。
もう狂うぜとか知らん(…)


「…まったく…私には『此処に居ろ』と言っておきながら…」
ギルが出て行った後、ラウは呆れたように溜息を吐いた。
「仕方ありません。この情勢下、ギルの功績や人望にすがりたい議員や政治家がごまんと居るんですから」
「人望…か。あいつはただの根暗で女運の無いマッドサイエンティストだろう」
「…。否定はしませんが」
と言うか、此処で否定するのは俺の良心が痛む。こんな所で嘘はつきたくない。
「しかし…レイはあいつが家を空ける時は、いつも此処に独りなのか?」
「ええ、まあ…基本的には」
「…寂しく、ないのか?」
そう不思議そうに呟いた後、ラウは顔をしかめた。
「…愚問、ですね」
俺は冷静に言葉を紡ぐ。
ラウも俺も、互いに『孤独』には慣れている。
「よっぽど、貴方の方が『寂しい』んじゃないんですか」
「…すまない」
そして何より、俺もラウも、同情されるのは大嫌いだ。
「…いえ。俺こそ…すみません」
まして、『同じもの同士』で同情しあうなど、それはもう、ただの茶番に過ぎない。


カップを二つ並べ、鮮やかな紅を注ぐ。
湯気と共にやわらかな芳香が鼻をくすぐる。
シュガーポットから、俺の分にさじ2杯、ラウの分にすりきり1杯、砂糖を入れる。
自分の分はきれいに混ぜ切り、ラウの分はスプーンをそっと動かし、少し下に甘さが溜まるように。
「…どうぞ」
「ありがとう」
ラウはそっとカップを手に取り、一口含んだ後、ゆったりとカップを回し、下に溜まった甘味を散らす。
「…本当に上手くなったな…先程のどす黒い紅茶をみて、正直どうかと思っていたのだが」
「…だからあれはラウが…、もう、良いです…」
ラウは人を褒める時でも皮肉を忘れない。
「…そろそろ、その飲み方やめたらどうですか」
「…どの?」
「それですよ!最初から溶かし切っちゃえば良いじゃないですか」
「ああ、砂糖か?」
「その飲み方の一体何処が良いのか、俺にはさっぱり理解できません」
「飲んでいる途中で味が変わるのはなかなか面白いぞ」
「…じゃあ最初ストレートで飲んで、その後砂糖を足したって良いじゃないですか」
「それではつまらないだろう」
「…時々、貴方の事が全く分からなくなります」
「それは不思議だな。…『同じ存在』、なのにな」
「…」
ラウはいつもと同じ、少し皮肉気な表情だ。
ラウの本心など、本当はほとんど分からない。
『同じもの』、なのに『違うもの』。
どこかですれ違う、何か。
本当に些細な事、だけれど。


時々、それがとてつもない恐怖と、哀しみに変わる事がある。


「…そう、ですね」
そう呟いて、やっと少し冷めてきたカップに、そっと口をつけた。
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